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2013年7月15日 (月)

Bellmare VICTORY Vol.61                   ~MF/No.8 高山 薫~

自分が楽しいサッカーをすること 。

 試合でも自分が楽しいと思ってプレーしているときは、きっといいサッカーができていると思う。きつくても十分な練習をしていれば、試合でも自分らしさを発揮した満足のいくプレーができる。そうなれば楽しい。目指すところは、自分の楽しめるサッカー。

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 現在J1リーグは、2014ブラジルW杯最終予選とコンフェデ杯の日程を考慮した中断期間に入っている。選手たちは5月25日のリーグ戦のあと約1週間のオフを取り、6月始めに再び馬入練習場に戻ってきた。
 高山選手には、まず今回のオフの過ごし方を聞いた。
「高校のときの友達と4日間グアムに旅行しました。そのあとは実家に帰って、両親と一緒に買い物に行って、初めてプレゼントをしたんです。父親は趣味でランニングをしているので、ランナー用のスポーツウォッチを。母にはふわふわした感じの洋服を贈りました」。
 あえてサッカーを完全に切り離してオフを過ごし、リフレッシュしたという高山選手。「逆にこんなにサッカーから離れて大丈夫なのかと心配になったくらいです」。
 「実は5月の連休のころ曺 貴裁監督に“カツ”を入れられたんです。『守備ばかりに追われて、まったく”らしさ”が出ていない。自分ができるプレーしかしていないんじゃないか。』って。攻撃参加できていないことは自分でも感じていただけに、心の痛い部分に響きました。そこでダメな自分自身と正面から向き合って一度リセットをし、前向きな気持ちでプレーするようになったと思います。ただ、監督に言われなくてもできなければいけないことは、わかっているんですけれど。
 今までJ2での経験しかなかったので、観ているだけならJ1でもやっていけそうに思っていたんです。でも実際にピッチに立ってみたら違った。対戦相手はみんなうまくて、自由にボールを回されてこっちは体力的にもかなりキツイ。監督に言われたような、積極性のない守備に追われるプレーしかできなくなっていました。まったくサッカーを楽しむことができなかったんです」。

 サッカーを楽しめているかどうか、というのが自分の調子のよさを知るバロメーターだという。
 「自分が楽しいと思えるときは、いいプレーができているときです。きっと見ている人にとってもそうだと思う。もっとも、楽しいと感じるためには練習でしっかり走り込んで、体力に余裕をもって試合に臨めなければいけないし、強い相手と対戦できることも楽しむ気持ちで臨まなければいけないんです。J1でしか対戦できない相手、J1でしか味わうことのできないスタジアムの雰囲気。今季の前半は十分に楽しめずに過ぎてしまった試合もあったけれど、7月からのリーグ再開後は、この経験をしっかり身体に刻み込んでいく、そんなポジティブな気持ちでいます」。

 元気いっぱい、若さで走り回るイメージの高山選手だが今年は入団3年目、7月には25歳になる。「今年は自分の人生にとって本当に大事な一年だと思っています。世界で活躍する選手を見ても、25歳はもう若手ではない。初めてのJ1の舞台で頑張れば、もっと上を目指してステップアップできるし、逆に降格してしまったら後退してしまう。大袈裟にいったら今年は自分のサッカー人生を懸けた一年になるということをあらためて感じています」。
 ではこの一年、そしてこの先どのような目標をもってサッカーに取り組んでいくのだろうか。
 「子どものころ、平塚競技場にベルマーレの試合を見に来たことがあるんです。まだ中田英寿さんがいる時代。スタジアムは満員で、カメラのフラッシュがすごかったのを覚えています。僕にとってベルマーレってそういうクラブで、その本来あるべき位置に戻さなければいけないと思っています。そのためにはまずJ1に定着すること。いま僕たちのユニフォームの胸には星が2つ(獲得した2つのタイトル『第74回天皇杯優勝』『95-96アジアカップウイナーズカップ優勝』)が付いていますが、自分たちでベルマーレの歴史に3つめの星を刻むのが目標です。ジャンルの違う話だけれど、最近のAKBの総選挙でも、世間が予想していなかったダークホース的な子が1位をとったりするのを見て、『頑張る』ことで前評判を覆すような結果を引き寄せることができるんだって大きな刺激を受けました」。

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 「僕は大卒で湘南に入って湘南ベルマーレしか知らないけれど、このクラブのサポーターは本当に温かくて、優しいだけでなくブーイングもしてくれて、いつも気持ちのこもった応援をしてもらい感謝しています。チームメイトもみんなサッカーに対して真剣に取り組んでいるいいメンバーばかりだし・・・湘南というクラブも地域も、本当に好きです。だからこそ、このチームで結果をだしたいと思っています」。

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Profile  高山 薫 (たかやま かおる)
1988年7月8日生まれ(24歳)神奈川県川崎市出身
スピードに乗ったドリブルで左サイドを切り裂き、数多くの決定機を演出する。
運動量豊富なプレースタイルと明るいキャラクターでサポーターからの人気も高い。
今季はチームの副キャプテンを務める。
174cm/67kg O型

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2013年7月10日 (水)

Bellmare VICTORY Vol.20・21 ( 2010.1・2 )                  ~湘南ベルマーレフットサルクラブ 久光 重貴~

いつも当ブログを読んでいただきありがとうございます。
湘南ベルマーレ公式サイトでも発表があったとおり、湘南ベルマーレフットサルクラブに所属する久光重貴選手が、
右上葉肺腺癌と診断され治療を開始することとなりました。
 より多くの方に、久光選手のことを知っていただき、病と闘う彼を応援していただけるよう、このブログを始めるまえに紙面に掲載された久光選手のインタビューをあらためてアップしました。
 このインタビューは2009年12月16日に、久光選手の職場である馬入ふれあい公園の管理棟で行い、翌2010年1月5日、2月5日発行の「あさひタウンメイト」に掲載しました。文章内のデータなどは当時のものです。
 末筆になりますが、久光選手がふたたび小田原アリーナのコートに戻ってくる日を信じて待ちたいと思います。

2010年1月5日発行

サッカーは兄貴分。彼らを手本に成長していきたい  (前編)

サッカーとは似て非なるスポーツ、フットサル。2007年に開幕した日本フットサルリーグ(Fリーグ)を舞台に10チームがしのぎを削る。華麗なパス回し、めまぐるしいゴール前の攻防、スピード感あふれる試合展開はフットサルならではのもの。湘南ベルマーレフットサルクラブの中心選手のひとり、久光重貴選手にベルマーレのフットサルの魅力を語ってもらった。

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 172cm、71kg。決して大柄とはいえないが、ひとたびコートに入るとその存在感に圧倒される。
力強い球際での競り合い、落ち着いたプレーでゲームをコントロールする力は、観衆を魅了する。
トレードマークのスキンヘッドは、ちょっと怖そうにも見えるが、実際は穏やかで、人当たりも柔らかい。そして真面目。
 「フットサルをはじめたのは21歳のとき。高校卒業後、サッカーでプロ選手になることを目指していたが叶わず、ひとりではサッカーの練習をすることもできずに、仕事をしながら進むべき道を模索していました。友達に誘われてフットサルの世界に足を踏み入れてからは、日本代表クラスの選手たちのプレーを見て刺激を受け、また人にプレーを見てもらうことに喜びを感じ、町田にある地域リーグのチームに所属して、フットサル選手として再スタートしました。まだ一般にそれほど普及していなかったフットサルの可能性にとても魅力を感じたのです」。
 その後、フットサルは初心者や女性、子どもでも気軽に楽しめるスポーツとして広まっていった。
Fリーグが開幕したのが2007年。2008年より久光選手は湘南ベルマーレフットサルクラブの一員としてプレーしている。とはいっても、まだプロではなく午前中は練習、午後からは馬入ふれあい公園サッカー場の職員として働きながらの生活だ。
「一日24時間のうちチームでの練習が2時間。残りが22時間。この中で仕事以外の時間をどう有効に使うかが課題です。その時間をすべてフットサルのためにトレーニングし、技術をみがいて、自分はこれだけやっているんだという自信につなげていきたい。実際は、まだまだなんですが・・・。プロをうらやましいと思う反面、今の現状でできる最大限のところに挑戦したいという気持ちも強いんです。このスタンスで勝てるチームになりたい」。
 湘南ベルマーレフットサルクラブは今季、リーグ2連覇の名古屋からボラ、野嶋倫をはじめ田中智基、岡部将和ら攻撃的選手が加わった。もともとFIXOフィクソ(サッカーでいうディフェンス)である久光選手もここ数試合はPIVOピヴォ(フォワード的役割)として出場することが多い。
「今年のチームは個性的な選手の集まりです。個々に高い技術をもっていますから、いろいろなプレーが飛び出す。ボラが中心のチームに見られがちですが、ボラがマークされたら他の選手がでてくる。どのポジションの選手でも点が取れる。そんな可能性を秘めているチームだから、観ていても面白いと思います。今はサッカーもオフですから一度アリーナで観戦してください。今季、昇格を決めたサッカーチームは兄貴分だと思っています。自分たちも早く追いつけるよう、皆さんから愛される魅力あるチームへと成長していきたい」。
(前編終了) 

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2010年2月5日発行

厳しい戦いが続く  -でも止めるわけにはいかない。   (後編)

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 試合のある日には、家を出る前に必ず聞く曲がある。北島三郎の『歩』。
「2年前に亡くなった父親が、とても好きだったんです。一緒に聞いていたら、その歌詞に自分自身を重ねるようになって、思い入れが強くなりました。自分には欠かせない歌です」。
将棋の『歩』。どんなに小さくても、歩の駒がなければ勝負は成り立たない。逆に、どんなにすごいプレーヤーも一つの駒。「いつか『と金』で大あばれ、です」。
 チームでの練習時間以外でも空いた時間があれば積極的に自主トレをしている久光選手。職場である馬入ふれあい公園では、土手のスロープをダッシュで昇り、階段で降りる。それを何度も繰り返す。
「フットサル特有の動き、短いダッシュのトレーニングは欠かせないメニューです」。
 トレーニングや自己の体調管理に関してはストイックな面を見せる。「好きな食べ物は、焼きそばとかお好み焼き。でも試合当日は油ものは一切、口にしません。万が一、試合中に胸やけが起きたりしないように。朝食は白い御飯か何もつけないパンだけ。試合の1時間前にはおにぎりが支給されるんですが、中身の具をはずして御飯だけを食べていました。そのうち自分には、中身の入っていない赤飯のおにぎりだけが配られるようになりました(笑)」。
 チームは5連勝のあと10試合、勝ち星から遠ざかっている(23節終了現在)。
「まだ成長途中のチームなんです。連勝しているときに勝っている意味を考えていなかった。僕たちに必要なのは、絶対的な自信を持てるだけのトレーニング。それができているチームは負けたとしてもぶれないんです。勝つために何をやってきたのか、それが自信になっていれば、結果は敗戦でも、やりきった感があり落ち込むことはない。昨年のサッカーのベルマーレは、まさにそんな感じでしたね。勉強になりました。自分たちは、未熟な分、まだまだ伸びしろがある。これからです」。

久光 重貴(ひさみつ しげたか) Profile
1981年7月8日生 出身地:神奈川県横浜市
小学校からサッカーを始め、帝京高校で活躍。サッカーの田村雄三選手は1年後輩にあたる。21歳からフットサルを始め、08年湘南ベルマーレフットサルクラブ入団。 172m/71kg


サポーター's VOICE

サッカーは、私たち女性にとっては観て楽しむことがメイン。スタジアムで大声で応援したり、サポ仲間と語り合ったり。一方、フットサルは見るより自分でするスポーツだと思っていたんです。でも誘われて観に行ったら、一回でその魅力のとりこに!スピーディな展開、細かなテクニック、数秒でゴールが生まれるドラマなど常にハラハラドキドキ、かつワクワクする競技です。
(茅ヶ崎市 A.Kさん)

サッカーの魅力は展開がダイナミックなこと。ゴールに向かってうまくパスをつないでいくプレーは最終的に得点にならなくても、見ごたえがあります。逆にフットサルは狭いコートの中でのスリリングな展開、連携が決まってゴールしたときの気持ちよさ。パワープレーでのディフェンス時に、カットして無人のゴールにボールを放り込むのは、見ていてかなり快感です。
(小田原市 H.Iさん)

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